日本人の善悪は,法律とは別にもう一つ「美醜」,「きれいか,汚いか」で決まることがあります。先の東京都知事の話題なんかは,分かりやすい例ではないでしょうか。

<美>:公のためにつくす、正直、誠実、信用,勇気、献身、忍耐強い、勤勉、弱者への思いやり、いさぎよい,謙虚……。
<醜>:嘘をつく、強欲、ずる賢い、卑怯、信頼を裏切る、利己的、無慈悲、さもしい、あさましい、ふてぶてしい、あつかましい、えげつない、せこい……。

日本が世界に誇るものは,技術や芸術など様々ありますが,その根底にある道徳の高さが世界でも飛び抜けているところですね。一朝一夕にまねのできないこの文化こそが,日本の大きな特長ということに多くの日本人が気づき始めた感じがします。(でも,日本にはこういう側面とは別に,一見すると相反するようなこともあったりするところが,ちょっと可愛くもあり,悩ましい)

「円満かつ円滑な相続」も,紙に書いてある「法律」どおりではなくて,不文律のこの「道徳」とのバランスということでしょう。興味深いことに,どっちが先に出てくるかで着地点がかなり違います。道徳だけで相続が済めば一番良いでしょう。でもそうはいかないこともあります。そんな時にどのくらい法律をブレンドするのかという意識が必要だと思います。

海外では相続争いはあまり話題になりません。法律だけで判断するのでシンプルなのでしょう。相続争いは,道徳と法律の間で悩む日本人特有のことなのかもしれないですね。