『登山をすることは,修行ではなく遊びです』赤岳鉱泉の小屋番の方がブログに記された言葉です。
そうですね。大多数の人の登山は遊びです。人里離れた山中での命をかけた遊びですから,最悪を想定した準備や慎重さが求められます。山小屋で危険な登山経験を自慢げに語る人がいますが,それはたまたま運が良かっただけ。話としては面白いのですが,本当は恥ずかしい話です。そういう登り方を推奨することになるので,ぜひ止めてほしい。

どんなに準備をしていても事故に遭うことがあります。逆にいい加減な装備でも事故に遭わないこともあります。まさに運ですね。でも同じ状況に遭遇した時,準備した人とそうでない人は,完全に区別されます。また準備しない人ほど,事前の想定範囲が狭いのですぐに冷静さを失います。また経験は準備を上回るか?その逆は?そんな議論もありますね。

最近の山登りはウルトラライト(UL)が流行っています。装備も服装も軽いことはすごく有り難いことです。ULでも良いけど,性能を犠牲にしている物もありますのでそこは注意ですね。同じようにUL繋がりの話しなんですが,

「輪行」って知っていますか,自転車を分解して専用の袋に入れれば,列車に無料で乗せることが出来るのです。(タテ・ヨコ・高さの合計が250センチ,長さ2メ-トル,重さ30キロ以内)これを活用して自転車と列車の旅を組み合わせると,行動範囲が広くなり面白いことがたくさんできます。もちろん自分で分解できる自転車と技術が前提ですが,そんなに難しくありません。

問題は,近年この専用の輪行袋がどんどん進化して薄くて軽い素材で作られるようになりました。ありがたいけど,実は賛否両論があります。袋の中には分解した自転車が入っていますので,尖った部分もあります。もし列車の中や駅構内で他のお客様に触ってしまったら,ケガをする可能性があります。ここは「専用の袋」の本来の主旨と思われる,軽くて強度と厚みのある生地で作るべきではないかな。(そういう生地ありますかね?)遊びで他の人に迷惑にならないようにしたいものです。

輪行する時は,普通は列車最前部の運転士さんの後ろあたりに自転車を置き,固定します。これは列車が急ブレーキをかけた時に,自転車が他のお客様に向かって転がっていかないようにするためです。分解した自転車が急ブレーキによって転がってきたら,無キズではいられませんよね。