7/25夕刻より,日本相続学会のオープンセミナーが名古屋で開催されました。今まで東京だけで開催されていたセミナーでしたが,今回初めて地方開催となりました。

DSCN17888第一講座は,行政書士の佐山先生から「遺言教室の実践と考察」~日本一楽しい遺言書教室~
衝撃的な父親の相続騒動をきっかけに,寿司職人からに行政書士に転身。遺言書作成を中心に据えた業務内容とし,寿司店舗をそのまま使った事務所にて開業。いきなり始まった「ゆいごんの歌」に驚きながらも,最後には会場全体で合唱。ユニークな語り口と,これまでに蓄積されたネタが次々と繰り広げられ,笑いの絶えない,あっという間の講演でした。多くの事例紹介があり,遺言書作成の様子が解説され,各々のケースごとの問題点を解説されました。特に,事例を紹介しながら「付言」の重要性について語られた部分では,会場内を感動の渦に巻き込み,涙を誘うことに。

第二講座は,読売新聞の千田先生から「尾張なごやの相続」~江戸時代のサムライ事情より~
まず,第7代尾張藩主の徳川宗春を題材に,尾張徳川家の相続について丁寧に解説されました。宗春のマニュフェスト「温知政要」が紹介され,将軍徳川吉宗との比較の中に,各々に抱える相続を巡る悩みを考察。その後,尾張藩士の朝日文左衛門(御畳奉行)とその娘「こん」の二度にわたる相続の紹介は,文左衛門の日記である「鸚鵡籠中記」によるものですが,千田氏の詳細な取材により肉付けされたことによって奥行きが生まれていました。文左衛門のまわりの女性達が,家を守る為,相続に最も必要なことを考え,賢明な働きをしていく姿は,現代に通ずるものがありました。

いずれも,とても深い充実した講演でした。二人の先生。ありがとうございました。