相続法制の見直しを進めていた法相の諮問機関「法制審議会」の民法(相続関係)部会は、中間試案のたたき台をまとめたことを発表しました。本年5月17日の審議会にて提出された大量の資料の目次だけを拾ってみますと、下記のようになります。一昨年のワーキンググループでの議論の時には具体的になっていなかった部分がはっきりしてきました。

民法(相続関係)等の改正に関する中間試案のたたき台

第1 配偶者の居住権を保護するための方策
1 配偶者の居住権を短期的に保護するための方策
2 配偶者の居住権を長期的に保護するための方策

第2 遺産分割に関する見直し
1 配偶者の相続分の見直し
2 可分債権の遺産分割における取扱い
3 一部分割の要件及び残余の遺産分割における規律の明確化等

第3 遺言制度に関する見直し
1 自筆証書遺言の方式緩和
2 遺言事項及び遺言の効力等に関する見直し
3 自筆証書遺言の保管制度の創設
4 遺言執行者の権限の明確化等

第4 遺留分制度に関する見直し
1 遺留分減殺請求権の効力及び法的性質の見直し
2 遺留分の算定方法の見直し
3 遺留分侵害額の算定における債務の取扱いに関する見直し

第5 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策
1 甲案(請求権者の範囲を限定する考え方)

7~9月に意見公募(パブリックコメント)を実施したうえで再び議論し、法相に答申を出し、これを受けて、法務省は来年の国会への民法改正案提出を目指す。相続法制の大規模な改正が行われることになれば、1980年以来のことになります。