先週の木曜日夕刻より,日本相続学会東海ブロックのオープンセミナー(参加99人)がありました。講師は東海地区では有名な書家&タレントの「矢野きよ実」さんです。今回のテーマは「私の相続財産,ぜーんぶ公開します!」こんなテーマでしたので,矢野さんの財産目録が出てくるのかと思っていた人があったみたいですが・・・。
矢野さんは,他ではお話しにならないご自身の生い立ちや苦労話をされた後,東日本大震災直後に日本赤十字愛知県代表として被災地に入り,硯で有名な石巻市雄勝でガレキの中から出てきた傷だらけの硯と出逢ったこと。その後、宮城・岩手・福島の被災地の子どもたちの「心の声」を聞く「書」の授業を続けたこと。そして子どもたちから「忘れないで」と預かった書を全国で展示していること(100会場以上)をお話しいただいたあと,200枚以上の子供たちの「書」を紹介しながら,被災地の子供たちの「心」を伝えていただきました。
この話のどこが相続財産??と思われるかもしれませんが,お話しの中で人は何を相続させるべきなのか,何を相続すべきなのかということを,子供たちの「書」を紹介しながら示唆いただきました。おかげで会場は涙線の緩んだ人ばかりになり,そして矢野さんの相続財産はこれなんだと気が付くことが出来ました。
普通,講演者は開始時間ちょっと前にやってきて,時間通りにお話しをして「次があるから」と言ってさわやかに退出されますが,矢野さんは全く違います。大きなワゴン車に一杯の荷物(子供たちの書)を載せて,1時間半前にスタッフ3人と一緒に到着。そして会場の設営も一緒に行われました。もちろん片づけも。こんなところが矢野さんの人気の秘密かもしれませんね。