migi昨年11月に行った,日本相続学会研究大会の来賓でお招きした,税理士の右山先生から「右山昌一郎論文集 第二集」が届きました。
右山先生の事務所へ伺った際に,47歳の時に第一集をまとめ,この度,84歳で第二集をまとめているというお話を伺っていたので,お送りいただいた本を興味深く読ませていただいています。

これまでに,120冊(たしか?)以上の本を書き,数えきれない論文を書かれた日本屈指の税理士として,業界では知らない人はいないと思います。
右山先生といえば,ゴルフ会員権訴訟判決(平成17年2月1日最高裁判決)が有名で,税法解釈の誤りを正し,日本の税制やその運用に大きなインパクトを与えた人。
実は,事務所へ伺った際に,この500ページ以上にも及ぶ,原稿をちらっと見せていただきました。それは,自筆の原稿でしたが,とても丁寧できれいな文字で書かれていたのが,印象に残っていました。先生の豪快な第一印象とは異なり,几帳面で繊細な一面を拝見したような気がしました。 先生の繊細で優しい心遣いの数々に,多くの人が集まってくる理由がよく分かりました。

研究大会では「円満かつ円滑な相続の起点は,財産の所有者の愛情だ」というお話しを,毛沢東故事「水を飲む人は,井戸を堀った人の恩を忘れない。」を引用され,分かりやすく解説されました。とかく目先の節税とかいう話に執着しがちな現実を指摘し,「相続は,財の前に愛情の磨き(子孫のための財産の浄化)を忘れない」「心の相続」の話をされました。

新しい師との出会いに感謝したいと思います。