ちょっと話題になっていた『後妻業の女』http://www.gosaigyo.com/を観てきました。
結婚相談所と後妻業の女が企み,妻に先立たれたお金持ちの爺さんと一緒になって,亡くなるのを待つか,待ちきれずに殺人に及び,遺産を頂くという話ですが,殆どのキャストが私でも分かるくらいだから,かなりの豪華キャスト。実際の大阪の事件ではないですが,それよりかなり前に同じような相談を受けたことがあり,ちょっと気になっていたので,一人で観に行くことに。
大竹しのぶさん演じる後妻業の女は,爺さんと結婚するのではなく,内妻の立場にいて遺言公正証書を爺さんに書かせます。なぜか?婚姻届を出さない理由はいろいろ推測されますが,
●後妻業を繰り返すことを前提としているので,自分の素性を明らかにしない。婚姻届を出せば戸籍に記載され,逆にその人のことを出生まで調べることが出来る。そうするとまずい履歴が明らかになってしまう。本気になれば調べられることで,相続後に調べられても構わないが,特に爺さん亡くなるまでは明かにしたくない。新しい遺言書を書かれたら計画が崩れる。
●配偶者ではないので扶養義務が無い。あとで介護を十分にしなかったとか言われても「善意でやっていたこと」ということが出来る。爺さんが亡くなり遺産をもらったら,とっとと,いなくなることが出来る。
●遺言公正証書の証人,何度も後妻業を繰り返しているのに,いつも同じ証人は失策だがここから話は展開する。公証人役場に頼めば証人は紹介してもらえる。そうすれば毎回違う証人になった。
一見すると「妻に先立たれたお金持ちの爺さん,それも一人暮らし」に限った話しだから関係ない様にみえますが,実は「円満な相続」のヒントが散りばめられています。
ということで,11月18日に上智大学経済学部の川西 諭先生による『「なぜ相続が争族になるのか?」~行動経済学者はこう考える~』という講演があります。ご案内はこちら