【問題】
全国で219の自治体に関係があり、三大都市圏で一番小さい中部圏でも、37の自治体に関係があります。(下記)
愛知県:(名古屋市、岡崎市、一宮市、瀬戸市、半田市、春日井市、津島市、碧南市、刈谷市、豊田市、安城市、西尾市、犬山市、常滑市、江南市、小牧市、稲沢市、東海市、大府市、知多市、知立市、尾張旭市、高浜市、岩倉市、豊明市、日進市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、みよし市、あま市)三重県:(四日市市、桑名市、いなべ市)静岡県:(静岡市、浜松市) 資料:「平成25年都市計画現況調査」(国土交通省)
(ヒント)あと7年後には大騒ぎになるでしょう。

【答え】「生産緑地」 生産緑地の説明はこちら(国交省)

【私なりの解説】
市街化区域内に農地があると「市街化区域内なので早く宅地化して活用しましょう。」ということになります。そのため農地でも固定資産税は宅地並みの課税があり、維持してられないので売ったり、貸したりを始めます。ここで農業を続けるということは、すごく贅沢なことで、高価な土地の上で農業を続けていることになります。(じゅうたんの上で野菜を作ったり、田植えをしているような感じではないでしょうか。)

そんなこと言っても、そっちで勝手に決めた話しだし、農業を続けたい。というケースも多いわけです。そこで平成3年の生産緑地法改正によって一定条件をクリアすれば、任意で「生産緑地」の指定を受けることが出来ます。農家ではそんな高い税金払えないから、とりあえず生産緑地にしておこう。よく分からないから生産緑地にしておこう。というケースも多くありました。生産緑地に指定されると、農地として管理を行うことが義務付けられ、売る、建てる、貸す、ことはできません。その代わりに固定資産税は農地扱いのほぼ1/200に、ホンの少しになります。

生産緑地法は主たる従事者の故障・死亡、または指定後30年過ぎると、その農地を市町村に対し買取りの申出ができるようにしています。しかし市町村は財政負担を負えず、買取に応じることは難しい。その後の斡旋も不調となれば、生産緑地の指定解除によって宅地並み課税の農地になり、どんどん宅地化が進むでしょう。指定後30年経過する生産緑地が、爆発的に発生するというのが平成34年。生産緑地30年問題(2022年問題)と言われます。

【整理】
①平成3年当時の農業の担い手が、今でも現役であるケースは少ない。これから相続を迎える。或いは相続した。相続税の納税猶予を受けているが、どうすればいいのか?
②後継者は農業を継承することに関心がない。宅地化できる土地なら高く売れるはず。高い固定資産税を払う前に、解除されたらすぐに売りたい。しかしそんな人ばかり。
③既に空き家問題が社会問題化している現在、多くの新たな空き地が一斉に売りに出て、供給過剰になる。どんどん安くなる。
④不動産価格は右肩上がりのはず。そうで無くても横ばい。という前提で作られた制度設計。
⑤市町村が買取るということによって制度に安心感を与えていたのに、事実上できないということ。

あと7年の時限爆弾という人もいます。それなら予め一工夫しておくことによって、相続時が円滑に済むように考えました。というお話しが下記のように9月4日にあります。この話題をテーマにした講演は、まだ珍しいのではないでしょうか?一般参加できますのでどうぞ。

一般社団法人日本相続学会「2015オープンセミナー④」

◎ 日   時  2015年 9月 4日(金) 17時~20時
◎ 会   場  ウインクあいち 1104会議室
◎ 聴 講 料  会員 3,000円 ビジター 6,000円  <当日支払>
◎ 定   員  60名(先着順)
◎ 申 込 み  申込書に記入し,050-3730-8835 へFAX(8/20迄)●申込書はこちら
◎ 問 合 せ  info@souzoku-gakkai.jp へ
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◆講演 第一部
「都市農地と生産緑地の相続コンサルティング」
講師  岡田 寛之 氏 株式会社オオバ 事業ソリューション部(1964年・神奈川県出身)
生産緑地30年問題と相続対策について、生産緑地を生産緑地のまま事前相続対策できる、たった一つの方法についてお話しいただきます。
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◆講演 第二部
「新聞記者から見た相続問題」
講師  白井 康彦 氏 中日新聞社 名古屋本社 編集局 生活部 編集委員(1958年・名古屋市出身)
白井氏の書いた記事は、見出しを見ただけで分かる。鋭い切り口と慎重な深掘りで定評のある白井氏に、相続問題について語っていただきます。
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