その遺言書は、財産の殆どを3人の子供が分割するようになっていました。奥様は僅かな現金だけです。

この方の相続は税金がかかりますので、まずは「配偶者の税額軽減」を使い、奥様が非課税枠(法定相続分または1億6千万円いずれか多い方)くらいは相続して、その後奥様から子供へ。というプロセスが誰かから提案されたと思いますが、どうしてこの内容なのか?という愚問をしてみると、「税金は払えばいい、一発で済またほうがよい。」という短い回答。なるほど、重みと深みのある言葉でした。

各々の相続財産は、不動産と現預金を組み合わせ、税金は払えるようにしてあります。それで払っておけということ。(主な)遺産分割協議は、自分の相続の時に一回するだけで十分だ。

二人の偉人の言葉を思い出しました。一人は相続税予納制度を提唱された右山昌一郎先生の、「相続は、被相続人の責任で準備しておくべきだ、自分の怠慢で若い相続人達をわざわざ不仲にさせてはいかん。」 もう一人はTV番組「北の国から」の黒板五郎さん。「金なんか望むな。幸せだけを見ろ。・・・・そして、謙虚に、慎ましく、生きろ。それが、父さんのお前らへの遺言だ。」が思い出されました。

「損得勘定」から考えると不合格と言われるでしょう。しかし「尊徳感情」から考えると満点ですね。あとは、その時の実務者が理解できるかですね。