明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
我が家には,1月2日の11時に必ずお坊さんがやってきます。そして,ありがたい読経の後に住職と一緒に家で昼食をとることになっています。(その席に着くのは一家一名ですので,裏方や子供たちは別室で食事をしています。)8月15日のお昼も同じです。いつからか分かりませんが,ずーっとです。随分前に住職に聞いてみたら,ずーっと前の我が家の先祖がお寺と永代契約をしたそうで,こちらから断らない限りはずーっと続くことになっているそうです。毎回予約しなくても自動的にです。ここで言う「ずーっと」というのは,一代や二代のことではないみたいで,随分気の長い話しです。
こういうのを「無形相続財産」ということができるでしょう。人間だから長い年月の間には喧嘩をすることもあるでしょう。でも金輪際会わないというような絶縁状態にすると,ホントは最初に無償で助け合う集団を失ってしまいます。このことを防ぐため,せめて一本の糸を残すことが必要だと思っています。今は憎しみ合っていても,時間とともに環境は変化しますし,成長することもあります。それに戸籍上の関係は切ることは出来ません。修復のチャンスとなる一本の糸ということです。私はこの糸に適しているのは祭祀承継だと思っています。例えば法要などの仏事をきっかけに和解の道が広がる可能性があります。とにかく会わなければ展開はありません。これは先祖が残したラストチャンスなのでしょう。
お坊さんがお越しになるので,盆正月に兄弟をはじめ縁者が集まって必ずお参りする。ということは,最低でも年に2回は顔を会わせることになります。それも自分達だけではなく知恵者の住職を囲んで盃を傾けるという,そんなセッティングを永年ルールにしておいた昔の人は,なかなかやるなあと感心したお正月でした。今年もきっと住職に良い話をしていただいたと思いますが,思い出したらまた書きます。
「無形相続財産」このキーワードで今年も頑張っていこうと思います。