もうかなり前になりますが,夏になると友人家族とよくキャンプに出掛けていました。おかげでいろんなキャンプ場で楽しい体験をさせていただきました。いつも形から入る私は,災害時にも使えるという大義名分を振りかざし,キャンプ用品をどんどん揃え続けました。

なかでも,パワーがあって便利だったのがコールマンの「ツーバーナー」と「ランタン」と「シングルバーナー」でした。全てホワイトガソリンという同じ燃料を使うこと。基本構造が全部同じ且つシンプルなので,素人でもメンテナンスがし易い。共通部品が使える。ということで同じメーカーで揃えました。特にツーマントルの290ランタンの明るさは圧巻で,燃費なんて気にしないアメ車と共通したモノを感じていました。またおかげで随分助けられたと思います。

10年くらい放置していたので,簡単ではないことは覚悟していましたが,必要があって久しぶりにランタンに灯を入れました。意外にもさらっと点灯したものの,往年の圧巻のパワーがありません。いろいろ考えた結果,対応順序を次のように決めて順次実行。①素人が出来る範囲の分解掃除 ②潤滑油給油 ③ポンプカップ交換 ④ジェネレーター交換 ⑤チェックバルブ交換 ⑥それでも駄目なら修理に出す。④まで進みましたが改善しないので,あとはセルフ最終段階の⑤になるわけですが,再度これまでの工程を振り返ることに。

実は,②だけはマニュアルどおりの方法をとらなかったのが気になっていました。本当は「リュブリカント」という専用の潤滑油を使うことになっているのですが,先日,自転車のポンプ復活のために活躍した,シリコングリスを使ったのです。ポンピングするゴム製品に接する部分なので,ピッタリだろうと思っていたのですが,これが失敗。グリスとオイルでは粘度が全然違うのです。自転車のポンプに求められる気密性とは,部品も精度も違うということですね。②で行ったグリスを純正オイルで洗うようにしてきれいに取り除き,②の作業をしてみたら,まあ75%くらいまでに復活。おかげで不要な③④の作業を行うことになりましたが,1984年製のランタンの定期点検をしたということでOK。

貴重な体験が出来たので,この機会にあと2台を点検しました。するとツーバーナーは0%から100%に復活。シングルバーナーは70%から100%に復活。こうなると75%止まりのランタンのチェックバルブの交換をしたくなります。専用工具のレンタルがあるようなので近々に挑戦。30年以上前のモノでも整備してやると復活するのは面白いですね。新品よりも味があります。またインターネットというのは本当に有り難いもので,30年以上前の製品の日本語取扱説明書まで簡単に入手できます。これがなかったら修理に出していたか,買い直していたかもしれません。時々使ってあげること,消耗性の部品と予備燃料を用意しておくこと,災害用というにはこれが必要ですね。いろいろ勉強になりました。(興味のない人には,全く意味不明な内容でした。)