先日,日本相続学会のオープンセミナーで,国立社会保障・人口問題研究所(http://www.ipss.go.jp)の石井太部長による「日本の人口の将来像と死亡動向」という講演がありました。私も,以前から人口問題については興味があり,ライフテーブルという会社の名前も直訳すると「生命表」という意味です。

n1201060

出典:国立社会保障・人口問題研究所

パワーポイント65枚に及ぶ講演は,すごいスピードで進められ,集中して聞いていないと話についていけなくなりそうでした。大学の講義にしたら3回分くらいを一回に凝縮したくらいでしょうか。

将来人口推計をするための手法や考え方から始まり,今後人口は減少していくことから,現在日本に住んでいる人は,日本の歴史の中でも最も人口の多い時期を体験した人になる。また,世界各国の人口ピラミッドが紹介され,各国の事情によって様々な形があり,フランスが人口維持という点で優れていること。カタールは男性の外国人労働者の数が多く,男女の人口に大きな差が出ていることなどが解説された。人口の増減は,自然現象でなく,人為的な要因によることもよく分かった。

最後に,『将来人口推計は,人口投影という手法に基づき,過去から現在に至る趨勢を将来に向けて映し出したものである。我が国の人口が将来,どのような形として実現されるかは,これからの私たちの行動と選択にかかっている。そのための基礎資料として「日本の将来人口」が活用されることを望むものである。』と締めくくられた。

相続どころか,経済や社会保障など日本を語るときには,今や少子高齢化を除いて語ることは出来ない。その少子高齢化の将来推計をまとめているご本人から,生の話を聞く機会が出来たのは,すごく意味のあることだったと思います。