5月27日朝6時45分,熱田神宮の拝殿前に集合し,しっかりと安全祈願をして出発。金山あたりで左折し,佐屋街道に入って岩塚・万場宿を目指す。(そのまままっすぐ行けば美濃路である。)早速,尾頭橋の不朽園で最中とお茶をいただく。いつものクルマから見る流れる風景も,歩きながら眺めると味がある事に気が付く。最初は涼しげな空気だったが,徐々に暑くなる。幸い万場宿の近くで気の利いた茶屋があったので一服。山盛りの無料モーニングサービスが面白い。


次は神守(かもり)宿を目指す。神守宿は佐屋街道のなかでも最後にできた宿で,大きな椋の木の一里塚があり,宿場町の風情が残る。田植えの時期のせいか,水郷地帯独特なのか分からないが,街道脇の水路畔に大小の亀が甲羅干しをしている。人の気配を感じ,次々に飛び込む音が面白い。かなりたくさん棲息している。お昼になったので,このあたりで昼食とする。山登りは食事を自分で用意しなくてはならないので手間がかかる。その点,街道歩きは気楽なものである。飲食店,喫茶店,コンビニがありがたい。特にコンビニには何度もお世話になった。


津島神社に向かうため,埋田の追分で佐屋街道から離れる。閑散とした津島駅周辺を過ぎ,津島神社に近くなると蔵のある旧家が並ぶ。昔の繁栄を感じる。そして蔵のある家の空き家は少ない。佐屋街道を佐屋海道と表記する道標が時々ある。また佐屋路という言い方もある。どれが正しいかは問題ではないが,佐屋海道という表現はなかなか面白い。そして津島神社に参る。織田家の家紋である「木瓜(おだもっこう)」が溢れている。神社が先か織田が先か分からないが,とにかくまた安全祈願をする。


この頃から膝と足底が痛くなってきた。何とか佐屋まで歩けば,三里の渡し(電車)に乗って今日の宿泊地,桑名に着ける。振り返れば津島神社から佐屋までの田園地帯の道が結構辛かった。変化の少ない風景は気がまぎれないということだろうか。それでも時折ある現代の茶屋というか,コンビニには癒される。途中でストックを活用するなどしながら佐屋に着き,何とか芭蕉の「くいな塚」と「三里之渡址碑」「代官所址」などを巡り,名鉄佐屋駅に向かう。16時30分頃の電車で弥富に向かい,JRに乗り換えてとにかく桑名に着く。スマホの万歩計で44000歩余,24.5Km となった。


宿に入る前に,まずはビールを飲まなければこれ以上動けないということで,軽く栄養補給をする。その後,旬の蛤を酒蒸しでいただいた。翌朝は桑名宿から四日市宿へ向かった。続きはまた今度。